朝廷とは政府を指す単語です

用語集

朝廷とは

中国の影響を強く受ける国々で用いられる、国内統治を行う政治機構を指す単語です。また政治を行う場所や建物そのものをも意味しており、現代日本で例えるなら日本政府と呼ばれるものでしょう。現代では行政・立法・司法の3つはそれぞれ別の機関が担当していますが、過去には三権分立といった考え方はないため、朝廷内で全てが執り行われていました。

現代日本で立法を司る国会議事堂

中国からの影響が強かった古代日本では、輸入した単語をそのまま流用する形で使用しています。日本では天皇を中心とした政治機構だけでなく、江戸幕府など武家政権に対して用いられた例も多くあります。要するに、「国内を仕切っている組織」を指して「朝廷」と呼んでいました。ヨーロッパ諸国の歴史では「宮廷」という単語が出てきますが、建物と政治機構を表すものとして同じ意味で使われています。

「朝廷」という単語の由来

中国でできた「朝廷」という単語は、朝に家臣たちが皇帝に挨拶に出向き政治を行ったことに由来しています。「廷」という字には壇上に人が立っている様子を表すため、字面的には「朝に壇上の偉い人に会いに行く」という、身も蓋もないそのまんまな単語となっています。

ちなみに日本でも中国でも、「廷」という字を「庭」という字に置き換えているケースが多くあります。ですが日本では、「朝堂院」という政務や儀式を行う場所を指して、「朝庭」と特に区別して使用されています。「朝堂院」の一区画を指す「朝庭」と、政治機構そのものを示す「朝庭」と「朝廷」という単語があったということですね。

朝堂院図面・微妙に斜めになった線に歴史を感じます

「朝廷」という単語の歴史

この単語は中国で非常に長い歴史があり、紀元前1000年頃の周王朝の文書にはすでに登場しています。周王朝が倒れて春秋戦国時代を経た後に秦が中国を統一すると、国内政治の中心として朝廷という単語が用いられるようになっています。

日本でも「古事記」や「日本書紀」といった日本最古の文書でも使用されているため、中国から漢字が伝来して来ると同時に伝わってきたものと思われます。飛鳥時代の推古天皇の時代には、政治を執り行うための場所として朝廷という単語が使われています。


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